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免疫療法の仕組み

現在、いろいろな免疫細胞療法があります。

免疫療法の目的が、「ガンを小さくすること」「ガンがこれ以上大きくならないようにすること」ということであるならば、「各免疫療法がどのような仕組みでガン細胞を殺して、数を減らすのか」を理解しておくことが必要です。

最終的にがん細胞を殺すのは、CTLかNK細胞、NKT細胞

ガン細胞を殺すことができるのは、細胞傷害性Tリンパ球(cytotoxic T lymphocyte, CTL)、ナチュラルキラー細胞(natural killer cells, NK)、NKT細胞です。

したがって、簡単にいうと、これらの細胞の数を増やすか、殺傷力を高めることで、最終的にガン細胞を殺せる可能性が高まる、ということになります。

1.CTL、NK細胞、NKT細胞の数を増やすことで、体の中でガン細胞と出会う機会を増やす

2.一個あたりのCTL、NK細胞、NKT細胞の殺傷能力を高める

このように、直接ガン細胞を殺す細胞を増やして、殺傷能力を高めたものを使うのが、

CTL療法、NK細胞療法、NK療法、ANK(Amplified NK)療法、ANK(Activated NK)療法、高度活性化NK細胞療法

となります。

どのようにガン細胞を殺すか

NK細胞、CTLともに、ガン細胞を自殺(アポトーシスといいます)させます。

NK細胞、CTLは、がん細胞を見つけると、タンパク質(パーフォリン)を放出します。パーフォリンによって、がん細胞に穴が開きます。さらにNK細胞、CTLは、酵素(グランザイム)を放出します。グランザイムは、パーフォリンによって開いた穴からガン細胞に入ります。そして、ガン細胞の自殺スイッチを押すことで、がん細胞を殺します。

NK細胞やCTLの殺傷力が高まるということは、これらの細胞がパーフォリンやグランザイムをたくさん放出している状態です。この状態を「活性化」といいます。

つまり「NK細胞、CTLが活性化している」ということは、ガン細胞を実際に攻撃するタンパク質がたくさん放出されている、ということです。

CTLとNK細胞、NKT細胞は、違うタイプの殺傷細胞

CTL、NK細胞、NKT細胞は、それぞれガン細胞を殺すことができる細胞ですが、違った種類の細胞です。

CTLは、攻撃する対象を厳密に選びます。専門的には「特異的」といいます。一方、NK細胞は、「ヘンな細胞」であれば何でも攻撃します。「非特異的」ということもあるようですが、「特異的」であれば良いことで、「非特異的」であることがダメだ、ということではありません。

お米をガン細胞として説明しますと、

CTLは、新潟の魚沼産のAエリアのB農家のCさんがD年に作った「コシヒカリX」を認識します。コシヒカリXに「特異的」といいます。

NK細胞は、コシヒカリ、あきたこまち、アメリカ米、タイ米などお米ならば認識します。「コシヒカリX」以外も認識しますので、コシヒカリXに対しては「非特異的」となります。

NK細胞は、お米ならば何でも認識しますが、CTLは、コシヒカリX以外は認識しないことになります。

この性質の違いが、免疫療法としての方法論の違いとなります。

細胞傷害性Tリンパ球(cytotoxic T lymphocyte, CTL)

正常細胞になく、がん細胞だけにある「がん抗原」を目印にしてリンパ球を刺激すると、このうち、がんだけを殺す特異的なCTLが増えるようになります。特異的なCTLを増やし体内に投与するとがん治療効果も見られるため、現在でもいかにしてうまく増やすかという研究が世界中でなされています。ただし、体外で行うCTLの誘導培養は作業が煩雑な上、成功率も決して高いものではなく、実用的ではありません。臨床応用するにはまだまだ多くの課題が残されています。

ヒトの正常細胞の表面には、主要組織適合性抗原(MHC:Major Histocompatibility Complex)という真ん中に大きな溝があるお皿のような分子が出ています。MHC分子には、細胞内外のタンパクから切り出された様々なペプチドが結合していて、細胞の外側に向かって表示されています。がん細胞も一般にはMHC分子を持っていて、このMHC分子を介して、自分の目印を出しています(実際には、がん細胞の中にはMHC分子を発現しなくなったものも出てきます。これが免疫逃避機構の一つだと考えられています

がんを殺せる免疫細胞のうち、CTLは殺そうとする相手方のMHC-class I分子とその上に載った抗原ペプチドを同時に認識して、相手を殺しますが、NK細胞は逆にMHC分子を発現していない細胞を殺します。

ナチュラルキラー細胞(natural killer cells, NK)

NK細胞の表面には、NK細胞の活性化を阻害する受容体分子(KIR)が発現しています。KIRには、MHC分子が結合できます。MHC分子を発現している細胞はNK細胞に殺されないようにシグナルを送るのです。

正常細胞は自己であることを示すため、MHC分子を常時発現しています。NK細胞はMHC分子を発現している細胞は殺さず、MHCタンパクを発現しなくなった“ヘンな細胞”が現れれば、それを好んで殺すような仕掛けを持っているのです。

DC細胞

1990年代後半になって、組織器官を作っている主な細胞群の間に潜り込んでいる細胞で、手足をあちこちに伸ばした形をしている細胞が、免疫反応で抗原をリンパ球に提示する能力が非常に大きい重要な細胞だということがわかってきました。この細胞を体外に取り出し培養すると、シャーレの表面に張り付き、まるで木の枝が細かく張り出したような形の偽足を出します。そこで、樹状細胞(Dendritic cells)と呼ばれるようになりました。この強力な抗原呈示細胞に、がん抗原を添加し細胞表面のMHC分子に載せておくと、末梢血リンパ球から容易にCTLを誘導できることがわかりました。

樹状細胞は、骨髄細胞からでも、末梢血からでも容易に培養できます。ただし、培養中ではほとんど増えません。そのため調製には大量の血液細胞の採取が必要となります。

体外では、未熟な樹状細胞をサイトカインによって強制的に分化させ、抗原提示能力が非常に強い成熟細胞にすることができます。それに体外で様々ながん抗原を載せたり、樹状細胞に直接がん抗原遺伝子を導入したり、樹状細胞とがん細胞を融合させて大量のがん抗原を融合樹状細胞に発現させる方法が開発されてきました。これらはまとめて「樹状細胞ワクチン」といわれています。

抗原を負荷された樹状細胞は皮下注射するだけでリンパ節に移動し体内のリンパ球を活性化させることができます。しかし最近、樹状細胞にも種類があって、もっぱらがんを殺すリンパ球を活性化するタイプと、逆にがんを殺すリンパ球の邪魔をするリンパ球を活性化するタイプがあることが判ってきました。一概に樹状細胞ワクチンを投与すればがん治療ができるというものではないのです。

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